二人でシャワーを浴びた後、洗面台の前で薬屋は丁寧に私の体を
拭いてくれる。
体を拭きながらも、
「若い肌ですね。水を弾いてますね
」
「ああ、この腰のライン本当に溜りません
」
「本当に有り難うございました。脳がスッキリしました
」
など次から次へとまるでオペラの劇中にイタリア男が女を口説くかのように
薬屋の口から私への賛辞が投げられる。
しかし鏡越しに見る薬屋の表情はまだ真剣にプレイを続けている
奴隷の顔だった。
先程まで、冷たい言葉で薬屋をいじめていたのに、そんな甘い言葉で
返されて逆に私が羞恥プレイに落とされそうな気配さえして来た。
まるで脳を愛撫されているような気分だった。
射精後、男はSもMも関係なくみんな興醒めな態度を取るのに
この時の薬屋のご奉仕ぶりに過去の男との甘い記憶を全部忘れそうになる。
ふと、薬屋の身長166cmと言うのは私が20代の頃死ぬまで愛し続けると
決めた元カレの身長に2cm足りないと言うことに気が付いた。
鏡に私に重なるようにして映る薬屋の唇の位置は私の頬の当たりにある。
私は薬屋の方に向き直りそのまま胸を合わせるように薬屋を壁へ押しやる。
薬屋は鏡に映る私の後ろ姿を見ているらしく「ああ、この腰のライン…。」と
手を回して来た。そのまま突っ立ったままの、薬屋の唇に私は唇を寄せた。
背伸びをする事無く、薬屋の右顎をかするようにして唇は簡単に
触れられた。
薬屋は何も言わない。私も何も言わない。
お互いの乾いた唇をただ黙って重ねて、肌の触れ合っている部分で私は
薬屋の肩幅の広さや逞しい大胸筋、若干肉の付いて弾力の有る胴回りを
感じる。
「もう一回させて下さい。お願いします。」薬屋の方から言葉を発した時、
私の携帯が鳴った。夕方から打ち合わせのクライアントだった。
つづく(けど、あとは全て私のオナニーみたいなないようなので
SMを期待されている方は来週あたりまでお休み下さい)
テーマ : M男
ジャンル : アダルト