S女：ワルプルギスナイト

　ツーリングへ飛び出したのは良いけれど、山の中って日が落ちると
急激に冷えるので、滝の前には３０分もいないでさっさと下山。

　そう言えば豆腐が切れていた事を思い出してスーパーへ。

　夕方５時過ぎ。直帰らしきリーマン君が私の目の前で買い物籠持って
立っている。籠の中には明治のフラン。男のくせに女の食料に手を出すなんて！罰としてアナルを犯してやるわよ！と勝手な
ののしり文句を考えながら、２m離れて尾行する。
そんなことつゆ知らずスナック菓子の前で歩調が鈍るリーマン君。
　いいよ、万引きしなよ。
　会社と家族にばらされたく無かったら私の言う事を大人しくおきき！
さあ、ひざまずいてキチンとご挨拶なさい！
…なんて勝手な妄想をしながら観察するが、リーマン君は「おさつドキ」に
視線を送りながらもカッパエビせんを籠に入れて、お菓子のコーナーを
過ぎて行く。どうも万引きするようなストレスの持ち主ではないらしい。
仕方ない、家庭用品の方向に歩いて行くので生理用品の前に回り込んで
「いやらしい豚ね！」と睨みつけてやろうかと思ったら…





履かせるおむつムーニーマンを籠に入れた…。
３０代のくせに子供居るのかよ！（←世間では当たり前ですね。）

　途端に秋風が胸に吹き込んで来た。帰りは嫌に寒かった。
　それから豆腐買い忘れて母に叱られた。