S女：ワルプルギスナイト

　「俺のアニキはひょうたん背負ってるんや。」

　京都に住んでいたとき、こう言う痛いことを言うアホが結構居ました。
　そう言う事も有り、私は関西では遊ぼうと言う気がそれ程起りません。

　折角楽しく過ごそうとしていても地雷のようなやつが他の地方よりも
高い確立で関西には存在しているからです。（ネットストーカー対策で
東京の警察署に相談に行った時も「関西は…。」と言われた程です。）

　しかし、悲しいかな、私の住まいは関西。幾ら東京が楽しく、名古屋の
男が他都市と比べて突出して女に甘くとも、生活基盤が近畿圏ならば
やはりもっと定期的に遊べるパートナーはこの地域で探すしかないのです。
　
　なので関西では非常に相手選びには慎重になります
　
　そんな時に丁寧な文章でメッセージを送って来た28歳の京都のリーマン君。
　さっさと写メも見せてくれて、文章も丁寧。日記を見せて貰ったら
カフェでお茶しながら読書が趣味なんて、なんか育ちの良さそうな感じも
見受けられ、電話で話してみてもとても真面目な感じ。そして向こうも
私と同じく警戒心も持っているのでその筋のややこしい奴やイタイ奴では
なさそう東京から戻り体調がやや戻りつつある時に、四国からの
お客さんと打ち合わせも入ったので、この彼と会う事にしました。
　顔が若干、私の嫌いな東南アジア系テイストが入っていそうなのが
引っかかるけどカタギだったらもう気にしない！

　でも、一応保険をかけておこうと電車で痴女体験希望の25歳君とも
大和路快速天王寺駅～大阪駅の区間で12時台に待ち合せと言うか
乗り合わせの約束をして、８月のある日大和路快速へ乗り込みました。


　電車に乗ると明らかにどこぞの東南アジア人がキョロキョロと電車の
案内図を見たり、携帯でどこぞに電話して何か聞いているらしい。
猫と豚を足して2で割ったような鳴き声からしてどうやらベトナム語。
天王寺まで３０分の間からかってやろうと声をかけてみる。
「おーい、ベトナム人。チャオー。」すると彼はホッとしてなついてしまう。
ベトナム人は天王寺で乗り換えて桃谷に行かなくては行けないらしい。
何で奈良にベトナム人なんか居るのか不可解だが八尾駅通過時に
「八尾にはベトナム人がいっぱい居るのですよ。八尾は良かった。」と
日本在住の外国人社会の縮図と言うやつを教えてくれて話が盛り上がって
しまう。天王寺に着いたら私はこのまま７両目に移動して２５歳の
リーマンを痴漢しなければいけないのに、乗り換えが分からないと言う彼の
為に仕方なく天王寺下車。環状線内回りのホームに連れて行ってあげる。

　ああ、25歳のリーマン行っちゃったよ…

　もしかしたら私を見つけられなくて次の今宮辺りで下りてくれて
いないかと外回りに乗ってみたが出会えず。そしてお腹もすいて来た。
あーたこ焼き食べたい。28歳リーマンとは難波で2時の待ち合せ。
まだたっぷり時間はあるけれど、女王様がたこ焼きの臭いをさせていては
立つ瀬が無い。ここは一旦、天王寺に戻ってたこ焼き食べてまた
環状線乗り直そう！
　ここで計算が狂った。たこ焼き屋に行く時に通った近鉄百貨店が店じまいセールで50%オフだった。速攻でたこ焼き食べてちょっとだけ見る！
つもりがブラジャー３枚も買ってしまい約束の2時。28歳リーマンから
着いたよコールが入る

　ゴメンね25歳のリーマン君

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